この本読んで、浜崎あゆみの本が気持ち悪かった理由わかった。
石田衣良の実際にあったことをフィクションにしてショートにまとめて書いてある本なんだけど、その中に失恋話もあり、たった3ページのこの石田衣良の話のなんと面白いことかと。
そうか、ここが違うんだ。
20年前の恋心って20年経つうちに発酵して、カビて、それでも輝いてるのかもしれないけど、本人自体も20年経ってしまっている今の状態で振り返る大恋愛って、やっぱり視点が今なんだけど、浜崎あゆみのあの本、視点が17歳のままで、書いてるのが40すぎのおばんなんだ。そのなんとも言えない気味悪さは、
20年前に作ったケーキを、おいしいんだよーどーぞ召し上がれ。
とか言われてる感覚に近いのかも。
イチゴとか原型ないくらいドロドロになってかびて何かわからないような状態なのに、本人はウキウキで
これ超美味しくできたんだよー!
とかいう感じの怖さ。これ。これ!!!!これだ!!!
その点、さすがの石田衣良はたった3ページで大恋愛、失恋、切なさそんな想いがダーーーーっとこちらに流れてくるように描く。
最初の実母の病院の話ですら、そんな感じだった。
母が死にそうっていうのを、全く違う視点から描き出すことでめちゃくちゃ悲しい気持ちが溢れすぎる。
たった3ページでここまでに。っていう。
読みやすいし、石田衣良本人の雰囲気がとっても手に取るようにわかる一冊でした。
ラストのお母さんへのメッセージで、石田衣良って、石平さんだったんだ!っていう発見が1番鳥肌たったわ。笑笑
- 感想投稿日 : 2020年3月5日
- 読了日 : 2020年3月5日
- 本棚登録日 : 2020年3月5日
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