10億人の信徒を抱えるカトリック教会の頂点である教皇が亡くなった。バチカンには次の教皇を決めるために各国から枢機卿が集結し、コンクラーヴェ(選挙)が行われる事となった矢先、有力候補の枢機卿4名が誘拐される。シリーズ第2弾。
カトリック教会が世界に果たした貢献は絶大なものがあるが、落として来た影にもまた想像を絶するものがある。平和を求める信仰が強くなればなるほど、排他性が高まり、凶行が正当化される。信仰の対象は超越的な神であるが、信仰する主体は人間であり、その人間が組織を生む以上、こうした巨大なパラドックスが生まれる。
今作でも知的好奇心を刺激しながら、スピード感を持ってハラハラドキドキが展開される。事件を解決するストーリーという点ではシリーズの中で最も「映画的」ではあるが、その分、現代に残る意匠の再解釈は少し弱め。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
サスペンス
- 感想投稿日 : 2020年5月10日
- 読了日 : 2020年5月9日
- 本棚登録日 : 2020年5月9日
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