父(ハルさん、晴彦)と娘(ふうちゃん、風里)の二人家族の成長のお話。娘の結婚式当日の様子をバックグラウンドにして、5つの短編が結婚式の日の父の回想の形式で進行していく。短編は、娘の幼稚園、小学校、中学校、高校、大学のエピソードと進んでいく。それぞれでちょっとしたミステリー話があるが、幼稚園のお弁当の卵焼きがなくなって誰がとったか、というような他愛もない事件。それを解決するのが、ハルさんの無くなった奥さんである瑠璃子さんがハルさんに授けるほぼ解答に近いヒント。
ミステリーとしてみたら、亡くなった人が現れて解決するし、その内容も途中でわかってしまう程度なので、反則でもあり、たいしたことはない。全体の構成も、娘の結婚式に収束していく父と娘の話なので、涙を誘うように書かれているありがちな話である。
ただ、それと知りつつ目頭が熱くなるのは、作者の思うつぼに見事にはまった感あり。
ふうちゃんが、結局はハルさんに似た人を選んだということが最後でわかり満足感で読了できる。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2014年5月21日
- 読了日 : 2014年5月21日
- 本棚登録日 : 2014年5月21日
みんなの感想をみる