脱角川ホラー文庫として期待値特大で読み進めた記憶がある。貴志さんの作品は大好きなのだが、角川ホラー文庫特有のオカルトな展開が苦手だ。
こちらは少年の繊細で複雑な心の描写と、若さ故の過信や葛藤を含めた感情の起伏が細かく表現されており、尚且つオカルト要素が皆無。素晴らしい。
正統なダークストーリーであり、自分の常識内の想像力で話を追えるので感情移入もしやすかった。
昔に読んだ本なので記憶は薄れているが、切なく胸が苦しくなるラストははっきりと覚えている。
少年の複雑な感情とどこか迷いながら起こす数々の行動に、やるせなさと同情心で心が占領されていた。映画を見た事がある人は是非原作を手に取ってもらいたい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本作家
- 感想投稿日 : 2020年9月8日
- 読了日 : 2020年6月17日
- 本棚登録日 : 2020年9月8日
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