ケイトが恐れるすべて (創元推理文庫)

  • 東京創元社 (2019年7月30日発売)
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本棚登録 : 783
感想 : 84
4

ミランダ〜から早数ヶ月。無駄な寄り道が多いイメージの作家だが、今回は最後まで楽しく読む事が出来た。

又従兄弟のコービンと住居交換をしたケイト。
過去の男ジョージの黒い影に苦しみ、自分を変えるために踏み出した一歩のはずがーー。
翌日隣人オードリーが不審死を遂げる。彼女を取り巻くアランやジャック 悲劇の定番スパイス複数メンズの存在。このスリーメンズの発言はどれも興味深く、まるで「ダウト」をしているかのよう。

誰が真実を語り、誰が嘘を吐いているのか...主にこちらが読者の興味をそそるメインストリートとなるのだが、この侵食していくようなジワジワと進む前半とは打って変わって、終盤に入っての突如のギア変。THE サスペンスなスピード感は読者の休息を許してくれない。言ってくれればその前に睡眠を挟んだものを...寝不足だ...

酷いトラウマから抜け出そうとするケイト。
消して熱意や根性がある訳ではなくどこか「あわよくば...」な彼女の姿勢に第三者として不快な気持ちは持てど、そんなグラグラのメンタルに「リアル」を感じとても好感的なキャラクターとなった。

星の欠けた部分は、スリーメンズ達の行動だ。恋愛の仕方が嫌!!!ヒーローな自分に酔いしれてる感が堪らなく嫌!!!!でもこの嫌悪もまた楽しいから困った物だ。
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サスペンスが主食の貴方。是非、オードリーの不審死の真実とケイトの行く末にドキマギしながらこの作品を楽しんで下さいませ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外作家
感想投稿日 : 2021年7月16日
読了日 : 2021年7月15日
本棚登録日 : 2021年7月15日

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