さよならドビュッシー (宝島社文庫) (宝島社文庫 C な 6-1)

著者 :
  • 宝島社 (2011年1月12日発売)
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ドビュッシーの名くらいは知っているし、「くらしっく」なるものと言うことは分かる。が、恐らくハードロック派の私は中山七里作品で無ければこれを手に取っていなかった事だろう。

義姉妹とおじいちゃまとともに火事に見舞われ一人残った「わたし」。全身大火傷を追うもピアニストとしての夢を諦めず「岬洋介」から技術と精神のレッスンを受けコンクール優勝を目指す。
しかし自らの身に起こる不吉な出来事、更に重なる殺人事件。「わたし」に起こる数々の悲劇は一体誰が、何の為に起こしているのだろうか。
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読むからにはと、曲名が出る度普段使用しないYouTubeを酷使しピアノ演奏を聞き、文章が表す小節部分をなぞってみたりした。
不思議なものです。知識の欠片のない私でも今この中で演奏しているピアニストの情熱と曲が魅せる情景が見える...気が..す....る...。優美な雰囲気に感化された睡魔と共に...。

睡眠との戦いだけでは勿論終わらない。おじいちゃまの遺産相続の話から始まる彼女の周りで起こる不吉な出来事、殺人事件の真相を忘れたらいけない。
こちらが本命になるのでコンクール後のラスト数ページは風を切る速さで読了。御子柴シリーズファンとして仇敵岬検事のご子息様の活躍を早くこの目に焼き付けたかったのだ。
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音で表現する音楽家 言葉で表現する小説家、
そして言葉で音を表現した著者、凄いなぁ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本作家
感想投稿日 : 2021年3月1日
読了日 : 2021年2月27日
本棚登録日 : 2021年2月27日

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