今でこそ出尽くしている感のあるサイコ・サスペンスだが、初稿が二十年以上前という今作の刊行年を鑑みると、この時代に脳科学や心理学をここまで大胆に盛り込んだ作品も恐らく前例がなかったのだろうが、理論が先行し過ぎていて何とも理屈っぽい。真相への伏線であるとはいえ、主要登場人物の男性陣三名のキャラクター像が終始あやふやで、尚且つ作中における互いの関連性も低いので、強い消化不良感が残る作品。しかし、いくら年代を考慮したとしても、作中の女性観が偏り過ぎていて、現代のフェミニストが本書を読んだら卒倒してしまうのでは…?
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- 感想投稿日 : 2020年4月14日
- 読了日 : 2020年4月13日
- 本棚登録日 : 2020年4月14日
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