さまよえる脳髄 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2003年9月19日発売)
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本棚登録 : 298
感想 : 40
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今でこそ出尽くしている感のあるサイコ・サスペンスだが、初稿が二十年以上前という今作の刊行年を鑑みると、この時代に脳科学や心理学をここまで大胆に盛り込んだ作品も恐らく前例がなかったのだろうが、理論が先行し過ぎていて何とも理屈っぽい。真相への伏線であるとはいえ、主要登場人物の男性陣三名のキャラクター像が終始あやふやで、尚且つ作中における互いの関連性も低いので、強い消化不良感が残る作品。しかし、いくら年代を考慮したとしても、作中の女性観が偏り過ぎていて、現代のフェミニストが本書を読んだら卒倒してしまうのでは…?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年4月14日
読了日 : 2020年4月13日
本棚登録日 : 2020年4月14日

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