さすが文豪、悪口も格調高い・・などということは全然なく、グダグダで目もあてられない。そこがいい。
相手への怒りと憎悪と必死に節度を保とうとする葛藤がむき出しになっている文章だけが並ぶと、宮武外骨だけが面白く感じられないことが発見だった。逆恨みで怒りすぎて自分でもわけわからなくなってる様子に比べると、権力を選び意図的にこき下ろすという読者の目を意識した劇場型の怒りが興冷めしてみえるのかもしれない。
無頼派の若手(織田作之助、太宰治、坂口安吾、平野謙)が4人で志賀直哉を批判している対談、太宰治の如是我聞が面白い。有名な佐藤春夫と谷崎潤一郎の書簡集も、通して読むと実に興味深い。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
本・雑誌
- 感想投稿日 : 2019年12月3日
- 読了日 : 2019年12月2日
- 本棚登録日 : 2019年12月3日
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