りかさん (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2003年6月28日発売)
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本棚登録 : 5434
感想 : 541

知り合いがカフェを副業にされているので遊びに行ったら、本棚に梨木香歩さんの本がずらっと並んでいた。「りかさん」お薦めされたので、図書館からお取り寄せ。
リカちゃん人形で遊ぶよりもウルトラマンごっこで弟達と遊ぶことが多かったことを思い出したり、日本人形が家にあったが、夜は動き出しそうで怖かった理由がなんとなくわかったような気がした。
人形のりかさんから登場している人形たちの一緒に生活した人間との間で培われ背負った歴史が混沌と語られる。憎しみを弔う方法の難しさがひしひしと伝わる。麻子おばあちゃんの語りとようことりかさんとの会話で救われる。
「いいお人形は、吸い取り紙のように感情の濁りだけの部分だけを吸い取って行く」
「歴史って、裏にいろんな人の思いが地層のように積もって行くんだねえ」
「年を取ってありがたいのは、若いころ見えなかったことがようやく見えるようになることだ」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 梨木香歩作品
感想投稿日 : 2022年11月29日
読了日 : 2022年11月29日
本棚登録日 : 2022年11月29日

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