読了しました。
■なぜ手に取ったのか
まちづくりに携わっている後輩から紹介されて手にした本です
以前より、地域を活性化できないかと漠然と思ってました。
空き家対策、単発的なイベントや、単なるハード的なデベロップ
メントだけではなくて、人の心も興すようなソフトなデベロップ
メントはできないと考えていたところ紹介されました。
■何が語られていたのか
本著は、エリア=地域、区域を、リノベーション=再生することについて
書かれています。
具体的には
①東京 神田・日本橋
②岡山 問屋町
③大阪 阿倍野・昭和町
④尾道 旧市街地
⑤長野 善光寺門前
⑥北九州 小倉・魚町
のエリアリノベーションのことが書かれていました。
それぞれの街のエリアリノベーションが、モデルロールとして描かれています。
特徴的なのが、その6つのまちづくりを単純に紹介しているのではなく、
著者が考える9つ切り口で各事例に切り込んで語られています。
■何を学んだのか
6つの街それぞれには、フィクサー的な人物・集団がいてます。
本人たちは「エリアリノベーションをやろう」と思って、
まちづくりをしていない。
それぞれに地域における社会課題について、やっているうち、知見・仕事など
を通じて結果的にエリアリノベーションをしていることになっている。
本著がミソなのが、それぞれの街の経緯の中に、「共通事項」をがあると語っており、そのベストプラクティスともいうべきことを踏まえ、意識して活動することで、他の地域でもスムーズにまちづくりができるのではと仮説・提言している。
語られる提言は、納得のいくものであり、一つ一つはそんなにハードルは
高くない。どんな地域でも持っている、資産・情報・人財である。
その掛け合わせ方について、ベストプラクティスを意識しすることが、
現代におけるエリアリノベーションのミソであることを学びました。
■どう活かすのか
日本は少子高齢社会の真っただ中。これからさらに進行します。
都市と地方の格差、地域間格差、世代格差、所得・教育格差など地域の社会課題は
格差が生まれそれが固定化することで蔓延しています。
私は、それらを解消する一つがエリアリノベーションであると考えています。
ベストプラクティスであるミソを意識して、人と話そう、人を集めよう、
人と動こうという気持ちにさせてくれる本でした。
■どんな人にお勧めなのか
地域の活性化を漠然と思い描いている人、不動産業に携われている方、
地域の地主の方、空き家を解決したい行政担当者にお勧めの本です。
- 感想投稿日 : 2022年1月10日
- 読了日 : 2022年1月10日
- 本棚登録日 : 2022年1月10日
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