三重県の田舎で林業を生業とする家に育った著者は、高校を卒業しても進路は全く決めていなかった。何もやりたいことが見当たらないからこそ上京し、手当たり次第何かをすることでやりたいことを見つけようと思っていた矢先、一人の実業家と出会う。
その実業家は、農家から野菜を直接仕入れて、その日のうちに軽トラックで行商をするというスタイル。行商のメンバーは、少年院あがりや、何かしらの問題をかかえた若者ばかり。
バブルの時代に、超がつくほど貧乏な生活を体験する。
著者を行商に引き入れた実業家は、周りのみんなと同じような額の給料をもらって、みんなと同じように使っていたら、並の人間にしかなれないし、大きな夢が叶うはずがないという信念のもと、目標にしていた、六本木に店を出せるようになる。
多額のお金をもつようになってからも、モノや洋服を買うのではなく、若いうちは目や舌や耳など五感にお金を使うように教える。
やがて、いつのころからか夢となっていた、地元の伊勢で店を開くべく独立し、周りから話がおもしろいからと講演活動もはじめ、どんどん成功していく。
この本を通して感じたことは、人間力、素直さ、ひたむきさ、行動力は、人を惹き付け、出会う人、出会う人が助けてくれたり、アドバイスをくれたり、どんどん縁が繋がっていく最大の力になるということ。
人は一人では、何も達成することはできない。
だいいち、一人では生まれてくることさえできない。
人に対する感謝や、人に好かれること、人の助けを受け入れること、逆に人を助けられる行動力や余裕は、自分の目標や夢の達成のために必ず大きな力になる。
そう改めて感じさせられる、著者の半生を綴った一冊でした。
- 感想投稿日 : 2015年3月17日
- 読了日 : 2015年3月17日
- 本棚登録日 : 2015年3月17日
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