モーツアルトの手紙 下―その生涯のロマン (岩波文庫 青 504-2)

著者 :
  • 岩波書店 (1980年9月16日発売)
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感想 : 6
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演奏旅行先での出来事を家族に報告する手紙、
自分の実力を認めてくれない権力者を非難する手紙などで
占められていた前巻に対し、
後巻は、知り合いに借金を申し込む手紙、
療養先にいる最愛の妻に送るラブレターなどがメインとなっていて、
手紙の端々に書き込まれている冗談やおふざけは相変わらずだが、
書かれている内容は暗いものも含まれるようになる。

実力がありながらも、自信過剰で、謙虚さがなく、
力ある者に取り入る事の出来ない世渡り下手、
そして夫婦揃っての経済観念の欠如故に
困窮した生活を送らざるおえなくなった若き音楽家の人生が
その手紙より浮き彫りになっている。

本作を読むだけでなく、映画「アマデウス」も併せて観ると、
映像のモーツアルトが彼の書いた手紙より偲ばれる
モーツアルトのイメージに近く、より一層楽しめるかも。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文庫本
感想投稿日 : 2011年1月24日
読了日 : 2010年12月31日
本棚登録日 : 2011年1月17日

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