読書録「買った買った買った」3
著者 原田宗典
出版 新潮社
p184より引用
“人間にとって食物というのは、すごくナイーブなものなのであ
る。一粒にステーキ一枚分の栄養を含んだカプセルを飲んでも、
何だか満足できない宇宙飛行士の気分ー誰にでも想像できるでし
ょう?”
コピーライター、エッセイスト、小説家、劇作家と多方面で活
躍する著者による、自らの買い物遍歴を記したエッセイ集。
夜食用エビグラタンから海外のお土産まで、面白おかしく書か
れています。
上記の引用は、特定の栄養が強化された食品について書かれた
一文。見た目、匂い、味、噛みごたえ、舌触りなど、あらゆる感
覚を使ってこその食事なのではないでしょうか。そんな贅沢を言
っていられず、総合栄養カプセルと水だけで生きなければならな
い時代が来たとしたら、内臓が退化して結局滅びてしまうような
気がします。
今でも簡単に手に入るモノについては、著者の体験を追いかけ
ることが出来るのですが、入手が難しいものの話を読むと、物欲
に悶々と悩まされるかもしれません。
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読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
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- 感想投稿日 : 2013年7月11日
- 読了日 : 2013年7月11日
- 本棚登録日 : 2013年7月11日
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