辺境の路地へ

著者 :
  • 河出書房新社 (2018年8月22日発売)
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本棚登録 : 256
感想 : 18
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ここでの「路地」とは、カミングアウトした著者が呼んできた部落ではなく、旅先の鄙びた界隈、三業地の露地裏、一般に言うところの路地を指す。僕自身、そうした場末にとても魅力を感じていて、つげ義春の『貧困旅行記』を読んだりしては、若いころにもっと訪ねておけばよかったと悔いている。昭和の原風景であって、今やエキゾチックにさえ思える。ここに載る八甲田山、酸ガ湯温泉、真栄原には寄っているが、まあ通り一遍の物見で、やり手婆や立ちんぼど掛け合うなんぞ手だれた真似には及ばない。面白いくない旅ばかりと著者は振り返るが、観光ならぬ旅とはかようなものであろうにと憧れる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年11月24日
読了日 : 2018年11月24日
本棚登録日 : 2018年11月24日

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