これは、大傑作だった。ダルジールシリーズとしては、『薔薇は死を夢見る』や『骨と沈黙』に匹敵する。とにかく毎回趣向のみならず、タッチまで替えてくるヒルの懐の深さには、ただただ驚嘆!今回は、アメリカのノアール的要素やランキン風の政治的要素との融合など盛りだくさんの“食材”を用いながら、見事なまでの“ご馳走”を創り上げている。ミステリ黄金時代の系譜を継ぎながら現代的な小説の醍醐味まで兼ね備える作品に、ヒルの真骨頂がある。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
英国ミステリ
- 感想投稿日 : 2011年4月30日
- 読了日 : 2011年4月30日
- 本棚登録日 : 2011年4月30日
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