現代アートを説明する本ってそれぞれの作品や歴史を語るやつが多いけど、根本的なアートや現代アートとは何かが非常にわかりやすく書かれていてよかった。
・アートとは常識をブチ壊す工夫。美は関係ない。不快なものでもいい。アートは高尚であるべきとか社会的価値があるべきとかは嘘。有害なものでもアート多様性の受け皿であり、未来の価値観の芽になるかもしれないもの。大半はゴミだけど、未来に役に立つかもしれないから価値を出して
・アートや哲学は何の役に立つのか?まだよくわからないものに対して考えていくのがアートや哲学。そこから役に立つものが誕生すると、別名のジャンルが与えられ別れていく。哲学から数学・物理学・天文学が誕生して別れていったように、アートからもデザイン・建築・漫画のようなものが誕生していった。いまのアートにはまたよくわからないものしか残っていない。何か役立つものが出たらアートから卒業してく。
・ハイアート/ローアート
エンタメやPR要素が少ないものほどハイアート。世に求められていること・受ける要素を減らし、表現したいことを純粋に出せば出すほどハイ
・純粋芸術/総合芸術文字なら文字だけで、音なら音だけで表現するほうがより純粋芸術としてアートのヒエラルキーが高い。歌とピアノならピアノ。歌は歌詞も入ってくるから。ラノベは挿絵も入ってくるから。
・アートの価値は批評家が決める。純然たるロジックの世界。論理的に、美術史の歴史に対して何が新しいか、現代のどんな課題に対応しているか、など専門的な項目をたくさんクリアするほど評価が高くなっていく。何も知らない人が見て感動するか、ということは一切ない。知識がない人には一切分からない。その道の専門家たちの議論で決まる。批評的な価値の獲得・プロモーション・人脈がアートの価値を上げるために重要。
・アートもオスがモテるための本能。作るのは男が多いが観るのは女性が多い。
・感性というが、自分の体験によって感動にバイアスがかかる。若いうちはとくにかかりやすい。
- 感想投稿日 : 2020年8月23日
- 読了日 : 2020年8月21日
- 本棚登録日 : 2020年8月21日
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