【由来】
・確か図書館の講談社アラート
【期待したもの】
・「大人になるということ」というサブタイトルの通り、「社交」ということについての「大人」な考え方、ライフハック的な視点が提供されているのかと。
【ノート】
・前半は「何だ、この屁理屈親父?」という印象。自分の世間への視線を、自分の経歴に即して偏屈に赤裸々に、そこそこ愉しく語っている。笑いの取り方にかすかに内田樹的な匂いもするが、あざとさも見え隠れしている印象。
後半は、屁理屈(哲学?)をこねてる本人が主宰している塾の生徒達の抱腹絶倒なトンデモエピソード集。これはもう、笑いながら読んでいい、しかも大笑い。著者が塾生達の奇行を「ええい、バカの標本め!」とツッコんでいるのがまた面白い。オーケンのエッセイに出没する電波な人々のエピソードに通じるものもあり、滑稽だったり、実はちょっと怖かったり。
哲学者である著者が、そんな「生きにくさ」を抱えてる塾生達に注ぐ眼差しは、しかし意外と優しかったりする。それは、著者が、辛くて放り出してしまいたい「問い」を抱え続けて、生きにくい人生を歩んでいる人達にこそ共感しているからだし、また、そんな抱え続ける姿勢こそが哲学だと考えているから。だから、大いに笑い飛ばしながら読んでると、そんな言動の中に、かつての、もしかしたら現在の自分と重なる部分を見つけてドキリとさせられたりもする。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
本・雑誌
- 感想投稿日 : 2018年10月28日
- 読了日 : 2013年7月1日
- 本棚登録日 : 2018年10月28日
みんなの感想をみる