ハリーポッターのテーマともいえる"愛"の強さを最も描いたのが今作。人生をかけて愛を貫いた人物の話です。途中でやめた人にも読んでほしい…。
(以下ネタバレ)
そして本作で読者に愛を強く伝えてくれるのは、ハリーを目の敵にしていたあのスネイプ先生。
もう何回も読んでるのに、毎回スネイプを嫌いになって最後には涙が止まらないほど愛おしくなります…。
本作で1番のハイライトは憂いの篩でスネイプ先生の記憶を見るシーン。痛いほどにリリーを愛したスネイプの描写に涙が止まりません。
彼はスリザリン生として学生生活を過ごした後、死喰い人という典型的な悪の魔法使いとなります。しかし、そんな彼が自分の生き方を曲げてでも守りたかったのは幼馴染でずっと愛していたリリー。
敵である死喰い人となりながらも、リリーの命の危険を知り、ダンブルドアに彼女の命を守ってほしいと懇願する姿からもリリーへの愛が伝わります。
その努力虚しくリリーは殺されてしまいますが、今度は彼女が命をかけたハリーを守るのが彼女の為だとダンブルドアに言われます。最初は納得しておらず父ジェームズに重ねて憎んでいるようにすら見えるスネイプ。
しかしハリーが死ぬ運命にあることを知ったスネイプの動揺する様子や、ハリーを助けるために守護霊を派遣する行動から、ハリーにも愛情を持っていることがわかり泣けてきます。
そしてその守護霊がリリーと同じ牝鹿であることから、亡くなってから10年経った今でもリリーを愛していることがわかります。それを知ったダンブルドアが涙を流しながら「これほどの年月が経っても?」と問い、「永遠に」と答えるスネイプ。
最後まで愛するリリーの息子ハリーを守ったスネイプ。
ダンブルドアも言っていましたが、誰よりもグリフィンドールの素質がある勇敢な人です。
- 感想投稿日 : 2021年12月26日
- 読了日 : 2021年12月26日
- 本棚登録日 : 2021年12月26日
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