最初はカテゴリーをミステリ(ヒロイン)にしていました。
それで違和感ないような内容です。
事件も多少はあるけど~でも殺人事件の謎を解くとかはなかったっけ、と。
千年医師3部作の最後の作品。
これだけは上下巻でなく1冊でまとまっています。
時代も現代なので、拍子抜けするほど読みやすい。
本人もご先祖のことにそれほど興味があるわけでもないしね~。
ただ、いくつか共通したモチーフは出てきて、それが時代の違いでこうなる、というのも読みどころになっていますよ。
通称RJことロバータ・ジャンヌダルク・コールは女性内科医。
マサチューセッツの大きな病院に勤めて、仕事では成功していたけれど、大人になりきっていないような夫との結婚生活は、空洞化していました。
会議や書類仕事が増えていき、診療にろくに時間をかけられない矛盾に苦しんだり、いくつかの悩みを抱えつつ、さらに女性初という昇進の可能性も打診される。
夫とは離婚に。
別荘のある美しい町ウッドフィールドを訪れたとき、町に医者がいない悩みを聞き、町の医者になることを決意。
地元の看護師や地域の病院と連携して、つぎつぎに事態に対処していきます。
出会った男性デビッドとも、当初はとてもうまくいって、彼の娘サラともしだいに仲良くなります。
ところがサラの手術が失敗し、彼は姿を消してしまいます。
取り残されたRJは苦しみますが、やがて戻ってきた彼の長い話を聞くことに。
医療のさまざまな問題と医者の悩みが赤裸々に描かれます。
鼻っ柱は強いけど、繊細な優しさをもつけなげなRJ。
一人で森に入り、自力で道を切り開こうとしたりするあたり、ご先祖の血もひいているのかな。
気風のよさと献身的な仕事ぶりに、気分よく読み進められます。
- 感想投稿日 : 2013年6月9日
- 読了日 : 2011年12月31日
- 本棚登録日 : 2013年5月12日
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