のどかな観光地で暮らす高校生たち。
主人公には、母親が二人いるという、ちょっと複雑な事情があるが?
山と海に囲まれた餅湯温泉。
怜は、高校2年生男子。
家は商店街のお土産屋で、シーズンにはまあまあだが、オフにはあまりお客も来ない。
高台の別荘地にはお金持ちが暮らし、怜は月に一度はそこにある家の「お母さん」に会いに行く。
土産物屋の寿絵と高台の邸宅に来る伊都子のどちらかが生母なのだろうが、はっきり聞くことも出来ないまま。
それで当たり前に暮らしてきたが、進路を決めるとなるともやもやし始めた。
これと言って、得意なこともやりたいこともないのである。
美術部員のマルちゃんは喫茶店の息子で、竜人は干物屋の息子という商店街の幼なじみたち。竜人は運動神経抜群で、GFとラブラブなのが知れ渡っていたり。老舗旅館の跡取りの藤島というメンバーも加わって。
心平の作った土器の騒動やら、ちょいおバカな男の子たちの繰り広げる騒動がおかしくて、楽しい。
いたことのない父親はま~ろくなもんじゃないだろうと思っていた怜だが、ある日それらしい男を見かける。
商店街の住人は皆事情を知っていて、怜たちを見守ってくれていた。
のほほんとした雰囲気の温泉町のあったかさに、ほのぼの。
ものすごいことは起きない、平和な暮らしの大切さ。
読んでいて、愛おしくなります。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
国内小説
- 感想投稿日 : 2024年2月15日
- 読了日 : 2022年6月9日
- 本棚登録日 : 2024年2月15日
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