季蔵はもとは武士だったが、「塩梅屋」の料理人になって5年。
28歳の長身、引き締まった体つきのかなりいい男。
銀杏長屋に住み、棒手振りの三吉が売りに来た納豆を買う平和な朝。
朝飯のためではなく、料理の研究のためだった。
ところが、仕込んでくれた恩人の店主・長次郎が亡くなる。
大川端でおろくが上がったという騒ぎに駆けつけると、自身番屋に運ばれていた。首の後ろに小さな刺し傷がある。
同心は気力のない様子で、覚悟の自殺と決めつける。
殺されたのに、川で落ちたとして、すまされてしまう。
納得がいかない季蔵と、長次郎の娘・おき玖。
おき玖は真っ黒に輝く目をした可愛い娘。
少し前に千代乃屋の若主人が急死する事件も起きていて、やはり首の後ろに傷があったという?!
捜査がされない理由には、意外な背景が‥?!
別棟での特別な客の接待は主人だけがしていて、手を出したことがなかった。
別棟のご贔屓客とは…
北町奉行の烏谷椋十郎(からすだにりょうじゅうろう)に関わりがあったとわかる。
季蔵が侍をやめるについては、無念ないきさつがあった。
堀田季之助と名乗っていた頃、鷲尾家用人の娘・瑠璃と許嫁だったが、鷲尾家嫡男・影守に奪われたのだ。
その過去がまた動き出す…?
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
時代小説
- 感想投稿日 : 2011年7月4日
- 読了日 : 2011年7月4日
- 本棚登録日 : 2011年7月4日
みんなの感想をみる