鉄腕バーディー (2) (ヤングサンデーコミックス)

  • 小学館 (2003年9月5日発売)
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感想 : 7
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 冒頭、つとむの見る夢は「狂戦士殺し」バーディのトラウマティックな記憶なのでございますが、彼女の不幸な生い立ちが語られるのはもっと後。

 変身ヒーローものは誰が変身するのか敵にも味方にも知られてはいかんのが鉄則でありましてな。つとむの高校生活が始まり、1巻で噂話に名前の出ていた、つとむの幼なじみの早宮夏美が登場いたしますが、勘が鋭いのでつとむの正体に気づく危険大であります。
 それから同級生となったのが、家庭が新興宗教という千明(ちぎら)、あとで重要な役回りとなりますが、さらっと登場。

 それとでんな、バーディは四六時中捜査官として活動したいのでありますが、おおむねつとむに高校生活を送らせてやらねばならんわけで、いわば手足をもがれた状態というのもこのお話の特徴。そのうえお役所を描かせたらピカイチのゆうきまさみ、バーディの属する連邦警察組織との葛藤も重要な細部でありますな。
 バーディの戦闘モードは全裸にボディペインティングしただけといったものですが「堂々としていればエロくない」というコンセプトらしい。宇宙人なんだから何か武器を持ってないのかとつとむに突っ込まれて「わたしの武器はこの肉体のみ!」とバーディが答える場面はなかなかよろしいのでございますが、初期の『サイボーグ009』で敵から加速装置とレーザーガンの他に武器はと聞かれて「あとは勇気だけだ」と答える島村ジョーを思い起こします。

 敵はテロリストのレビということになっておりますが、彼らがどういう所帯になっているのかわからず、一枚岩ではないようです。ゴメスはつとむが目撃した怪しげな植物「スピリッツ」を氷川に託して、この「スピリッツ」がやがて話の要になっていきます。「スピリッツ」について探っているらしき怪しいジャーナリスト室戸も登場。そして「ヤングサンデー」で連載されていた本作は「ヤンサン」の廃刊に伴い。「ビッグコミックスピリッツ」に移転するのですが、それも関係ございません。
 敵の尖兵のひとり、不定形生物バチルスが今回のメイン敵キャラ。これ初期版にも登場しているのですな。それから同盟のケール人。こう書いていくと、ああ、なんだかウルトラセブンみたいな。

 オマケマンガは「ゆかいマンガ バチルスくん」。魚屋で金目鯛を勧められます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: サイエンス・フィクション
感想投稿日 : 2016年3月11日
読了日 : 2016年3月11日
本棚登録日 : 2016年3月11日

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