新美南吉の作品は、世間で悪い印象の人の中の善の部分を描くものが多いので、人間の根本は善と思わせてくれる。『花のき村と盗人たち』もその一つで、人間はやはり他人の信用を得ることが何よりうれしいことなのだと改めて思わせられる。『屁』は日常の些細なことを題材にしているが、主人公の男の子の内面心理を追いながら人間のエゴやいじめに通じる集団心理描写に、滑稽ながらも誰でも自分を投影できる身近な出来事として描かれているところが素晴らしい。
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- 感想投稿日 : 2023年3月20日
- 読了日 : 2023年3月20日
- 本棚登録日 : 2023年3月19日
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