灰色の砦: 建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社ノベルス シI- 4)

著者 :
  • 講談社 (1996年7月1日発売)
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感想 : 28
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再読。建築探偵シリーズ4作目。
深春と京介が19歳の頃のお話。
終始深春始点で紡がれる。

2人が出会った下宿”輝額荘”で起こった事件が描かれている今作ですが、2人の互いの呼び名が「栗山くん」「桜井」で、京介の口調もどこか違う。
事件と併せてF・L・ライトの生涯を巡る謎についても多くのページが割かれている。
『翡翠~』でも言及された悲運の建築家・下田菊太郎についても触れられている。
この当時から京介が興味を持っているのが良くわかります。
ラストは切ない結び。
再読のため、作中の些細な描写にはっとさせられることも多い。

作中で京介が”負の建築”について語る場面での
「人類は地球を収奪することで生きている。決して癒されない傷を、かくも大地に残してね」
という科白が印象的。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 篠田真由美
感想投稿日 : 2014年4月9日
読了日 : 2014年3月10日
本棚登録日 : 2014年4月9日

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