不運な女神 (文春文庫 ゆ 8-1)

著者 :
  • 文藝春秋 (2007年3月9日発売)
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本棚登録 : 568
感想 : 72
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不幸な女性をたくさん記述している。
別冊文藝春秋とオール読物に掲載したもの。
2001年から2003年。

初めの数題は、前の話の脇役が、次の話の主役になって、関連した話しになっている。

唯川恵の腕が鳴っている。

どんなに不幸な人間を主人公にしても、
誰かを恨んだりすることがあっても、
犯罪をひょっとしたら犯すことになるかもしれなくても、
人間性を持っていようとする意思を感じる。

どんなに運が悪くても、
人間として生き、
人間として暮らし、
社会の片隅になっているか、社会を支えている。

どうしてここまで丁寧な思いを綴ることができるのだろう。
自分と違うのであれば、雑な記述になるかもしれない。
自分と同じであれば、怨念が先立つかもしれない。
淡々と、包み隠さず、騒ぎ立てず、
悲しいことは悲しく、
嬉しいことは嬉しく、
始めがあって終わりがある。
そんな著者に敬意を表したい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 唯川恵
感想投稿日 : 2013年2月11日
読了日 : 2013年2月11日
本棚登録日 : 2013年2月11日

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