アイデアの接着剤 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2014年4月8日発売)
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・アートディレクターやデザイナーは、何かを見た時に良く観察して色や形、質感の情報を頭にインプットしています。それが組み合わさった時にアイデアが生まれるんです。

 アイデアの接着剤 >> 僕(水野 学さん)は、一度だりとの「アイデアを生み出した」ことがありません。これから先も、「アイデアを生む」なんてことは、おそらくないと思っています。

 僕の仕事は、世界に無数に転がっている、アイデアのかけらとかけらを拾い集め、ぴったり合うものを、くっつけることだから。(中略)その意味で僕の仕事は、アイデアの接着剤となることです。

 そもそも「イノベーション」という言葉は、まったくゼロから何かを生み出すということではなく、すでにある意外なもの同士を結びつけ、新しい何かをつくり出すという意味だをいいます。

 良い文章を書くには語彙の豊富さが必要だと言われますが、良いデザイナーは、色や形、質感などのボキャブラリーが豊富なので、無数の組み合わせの中から質の高い結合を発見することができるのです。

 私たちは、消費者の側にいる時、新しい情報を自分が知っていることと照らし合わせて理解しようとするのだと思います。ですから。受け手に既視感を与えるプロモーション活動(すでにある意外なもの同士がを結びつけ)が有効なのかもしれませんね。

 イノベーションって、ニーズと技術の接点で起きるのだと思います。ですからクリエイティブに携わる人は、いつも「できたらいいな」と思うことをイメージし続け、それを実現するための、手段を捜し続けているのだと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: デザイン・工芸
感想投稿日 : 2020年4月30日
読了日 : 2018年9月1日
本棚登録日 : 2020年4月30日

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