特選誤訳迷訳欠陥翻訳 (ちくま学芸文庫 へ 4-1)

著者 :
  • 筑摩書房 (1996年5月1日発売)
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感想 : 1
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内容は……すごいですよ~(笑)。強烈な皮肉を交えて舌鋒鋭く一文一文を追及しています。「完膚無きまで」てこういうことを言うのでしょうね(笑)。とにかくすごいです。
でもただただキビシいだけじゃなくて(イヤ実例で挙げられてる方にしたらひたすらキビシいだろうけど)キッツい言い回しの中にも翻訳の質をもっとよくしたいという気持ちは感じられるし、読みながらニヤッとしてしまうユーモアもあるし、おもしろく読めました。
まず問題の翻訳を挙げて→原文を挙げて→そのあとに自分の試訳をつける、というスタイルで大半が進められるのですが、まあ……英語がイヤという理由で理系を選択した私はこの肝心の原文はすべて読み飛ばしです(…)。見ても分からんもの!
こういう態度もきっと別宮先生には怒られるのでしょうね(笑)。私は当然のことながら翻訳などやったことはないですが、なんか、自分のこと言われてるような部分も結構あって、いててててって思う箇所も多数でした。
最初は「こんな人の揚げ足取るようなことを雑誌におおっぴらに掲載するのってどうかなー」などと考えていたのですけど、よくよく考えてみたら公にする以上はあらゆる批評を受けてしかるべきなんですよね。
映画だって音楽だって批評は付きものなんですし。それこそ本なんか批評だらけで新聞で毎週批評欄はあるぐらいなのに、作家はいろんなこと言われるのに翻訳者だけ言うのはダメってことはないんですよね。「うわーこれ自分が言われたらイヤやなー」と思いましたけど、訳が作品の一部をなす以上は当然なんですよね。
確かに読まれへんような訳は多いですし…(笑)これにも挙げられてますけどホーソーンはヒドいですよね…

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2010年4月25日
読了日 : 2007年4月19日
本棚登録日 : 2007年4月19日

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