名言、金言と呼ばれるものには、時間や空間を超えて、人間の心理や社会の真実を言い当てていることがあります。ヨーロッパ社会の起源であるギリシア、ローマの時代の名句を読んでみたい、という思いから本書を手に取りました。
ローマ時代の名句より、いくつか心に残ったものを記します。(カッコ内はラテン語)
- 生きている限りわたしは希望を抱く (dum spiro spero)
- (今日という)日を摘みとれ (carpe diem)
- 私は生きおえた。運が私に与えてくれた筋道を、私は歩き通したのだ (vixi e quem dederat cursum fortuna peregi)
- 人間は自分が信じたいことを喜んで信じるものだ。(libenter homines id quod volunt credunt)
三番目は、自害するカルタゴ女王ディドの、最後の言葉の一節ですが、誇り高い女王の謦咳に接するような気がしました。
最後のは、現代でも良く耳にします。カエサルはガリア人を攻める際にガリア人のスパイを使って翻弄した逸話が紹介されていました。
こうした名句に現代にも通ずる力が宿っているということは、人間社会の普遍的な価値観がそう大きくは変わっていないから、ということでしょうか。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
哲学・伝記
- 感想投稿日 : 2019年4月28日
- 読了日 : 2019年4月28日
- 本棚登録日 : 2019年4月28日
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