「人外(にんがい)」(松浦寿輝)を読んだ。
面白い!
アラカシの枝の股から滲みだした(神ともけだものともつかない)「それ」が、(何故か過去の記憶に囚われ)探し求める「かれ」とはたして出会えるのかどうか。
そして「世界」は滅びようとしている。
少し難解なところもあるけれどしだいに物語に惹きつけられていく。
印象深い文章をひとつだけ抜きだす。
『世界と世界ならざるものとの境界に身を置きその両方に魅了され引っ張られ、しかしどちら側にも身を落ち着けられずにいるものだけが知るせつなさでありやるせなさであるようにおもわれた。』(本文より)
〈あゝ、われわれの世界も滅びようとしているのかもしれないな〉と、思う。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年10月19日
- 読了日 : 2023年10月19日
- 本棚登録日 : 2023年10月19日
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