近世風俗志 5: 守貞謾稿 (岩波文庫 黄 267-5)

  • 岩波書店 (2002年12月13日発売)
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江戸時代の風俗史の基本文献「守貞謾稿」の翻刻。
・凡例
巻之三十(傘・履) 後集巻之一(食類) 後集巻之二(雑劇 補)
後集巻之五(遊戯 拾)欠 後集巻之三(駕車)
後集巻之四(雑器および嚢)
・校註 ・<付録>固根辨 ・索引

江戸時代の百科事典の如くの「守貞謾稿」の翻刻。
当時の風俗や生活など多くの姿を図付きで紹介し、解説。
傘・履は、身分等での様々な傘、番傘、蛇の目傘、日傘、
両天傘、小児傘等、大傘の下での商売も。
草履、雪踏、下駄、足駄、草履、足袋沓等、素材いろいろ。
履物の多くは江戸から京坂へ漕し、販売していた。
後集巻は補遺。
食類は、膳と載せる食器類。飯、粥、雑炊、握飯。
飯は京坂では昼、江戸では朝に炊く。
冷飯は京坂では粥に、江戸では雑炊に。
塩や味醤、醤油、酢などの調味料。酒と入れ物。
料理関係、菓子類、茶、獣肉も。
雑劇は、歌舞伎の興行の諸々、京坂の講釈場や江戸の与世。
特に番附は挿絵が多くて楽しい。
楊弓場や見世物、覗機関など。
駕車は、牛車、輿、大名や貴人の乗り物、駕籠いろいろ。
箱根山の山駕籠や代八車など。
雑器および嚢は、挟箱、火燧嚢、烟草入、烟管、印籠など。
<付録>固根辨は、当時の時勢の覚書。物価高や人払い法など。
ふう~、全五巻を完読しました。
漢字は難しかったですが案外と読み易く、面白かったです。
記憶や資料、文献等を基にして綴られた内容は、
江戸・京・大坂での違いが分かるのもありがたいし、
江戸時代の中で、様々な違いがあるのも、興味深い。
また挿絵も豊富で、北条泰時の酒器なんてのもありましたよ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 江戸時代
感想投稿日 : 2023年11月18日
読了日 : 2023年11月18日
本棚登録日 : 2023年11月2日

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