日本橋牡丹堂シリーズ第八弾。
師走から元旦、梅の時期へ。伊佐と両想いになった
小萩の心の揺れと日々を、季節の移ろいと共に描く。
幸多かれと願う飴菓子・・・松屋のご隠居の気がかりは、孫娘。
恋しい相手は何者か?そして迎える元旦に伊佐は・・・。
「相生の松」のなぞ・・・手習所の主人が、出た家に残る娘たちに
贈る菓子は相生。菓子に託す父の想いと娘たちの心情。
留助とぺんぺん草・・・つわりのお滝のために、なずなを探す留助。
協力する小萩は、百薬園での出会いで大事な人を失う心を知る。
鶯が招く春・・・鶯合わせの菓子を依頼され、悩む小萩だが、
それ以上に小萩庵の行く末が心にのしかかってくる。
内緒にしても狭い見世の中ではわかってしまいますね~。
あっという間に婚姻への道を歩む、小萩と伊佐。
その冬から春への中で、小萩は、家族や家庭についてを考えます。
子への想いや病で愛しい人を亡くすことの悲しみ。
そして、話を聞く、話をする、そして行動することの大切さ。
その中から大事な事を選り分け、理解すること。
まだまだ足りないことだらけだけど、小萩は成長しています。
今回は、大晦日までの菓子屋の繁忙ぶりや武家のしきたり等が
分かって、知識の面でも楽しめました。
また、密やかに暗躍する勝代の動向は、次巻の布石かも。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
文学(日本)
- 感想投稿日 : 2021年9月17日
- 読了日 : 2021年9月17日
- 本棚登録日 : 2021年8月28日
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