食堂のおばちゃんシリーズ2冊目。
かつて、はじめ食堂は小さいながらも評判の高い洋食屋だった。
孝蔵と一子が営む店での、人情溢れる人間模様の短編集。
第一話 覚悟のビフテキ・・・洋食屋とフランス料理屋の違いを
知る孝蔵と一子。そんなとき、店では無銭飲食と倒れる客が。
第二話 ウルトラのもんじゃ・・・はじめ食堂で働き始めた亮介の、
抱える不安とは。一方、小学生の高の不満は事件を起こす。
第三話 愛はグラタンのように・・・孝蔵と一子の出会いの場所が
閉店。偶然英次が仲介されたが、その不動産会社が怪しい。
第四話 変身!ハンバーグ・・・泥棒に入られた店での親子の諍い。
同じ頃、世界三位に入賞した涌井は苦悩する。孝蔵の出番だ。
第五話 さすらいのコンソメスープ・・・謎の老人、赤目が毎回
注文するソップ(コンソメスープ)に求める心情とは。
第六話 別れのラーメン・・・英次の結婚と独立。その新店に
酷評が。折しも孝蔵の娘だと名乗る娘が現れる。真相は?
<巻末>食堂のおばちゃんのワンポイントアドバイス・・・レシピ集。
はじめ食堂が洋食屋だった時代の物語。
昭和40年代の時代の世相と人間模様が織りなす、短編集です。
戦争の記憶がまだ残る、高度成長期が始まる時代。
集団就職、職人気質、世相や流行、人間模様等、当時の生活が
顕著に表れる話が盛り込まれています。
店の情景だけでなく、ある事件をきっかけに店で働き始めた
亮介の成長と別れも、丁寧に描かれています。
1巻に登場する赤目の御先祖様の話も良かった。
彼はこのひいおじいちゃんのことは知っているのだろうか?
また、亮介他、登場した人物が今後の話に出てくるのかも、
楽しみにしたいです。
- 感想投稿日 : 2022年5月9日
- 読了日 : 2022年5月9日
- 本棚登録日 : 2022年5月1日
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