フロム『愛するということ』 2014年2月 (100分 de 名著)

制作 : 鈴木晶 
  • NHK出版 (2014年1月25日発売)
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■書名

書名:NHK 100分 de 名著 フロム『愛するということ』 2014年 2月
著者:NHK出版 日本放送協会、

■概要

どうして、うまくいかないんだろう?
ストーカー殺人事件など、恋愛にまつわる問題を目にすることが多
い昨今。なぜ愛は失敗するのか。現代資本主義社会におけるさまざ
まな愛のあり方、その問題点を鋭く指摘した『愛するということ』
は、17か国語に翻訳され、50年以上にわたり読み続けられている。
このベストセラーに、恋愛の困難さとその出口を探る。
(From amazon)

■感想

結局、「愛するという事」というよりは、「生き方論」になっている
ような本ですね。

この時代は、斬新だったのかもしれないですが、今の時代、同じよ
うな事を言っている本は、いくらでもあります。
なのに、この解説者、唯一無二の本みたいな言い方をしています。
誇張もいい所です。
世の中の本を全部読んでから、唯一無二の本みたいな言い回しをした
方がいい。

「自分を愛しましょう」
 ⇒「他人を愛しましょう」
  ⇒「自分を持って他人と接しましょう」
   ⇒「お互いを高め合いましょう」

という内容で、具体策は皆無です。
そりゃそうでしょう。こんなの具体策があれば、みんなやっています。
結局抽象的な言葉でしか表現できない分類だからこそ、哲学という
便利な言葉が生まれたわけで。

これを読んでも、何かの悩みが解決するとは思えません。
でも、こういうのを読んで、色々と自分で考え、自分なりの答えを
出して生きていくのは良いと思います。

ここに書いてあるのが100%正しいかは知りませんが、個人的には、
100%否定できる根拠も無いのだろうな~と思われます。

■気になった点

・自分が傷つくのが怖いというのは、自分が一番かわいいということ。

・「愛される」ではなく「愛する」

・愛の問題は対象の問題ではなく、能力の問題

・人間は孤独を最も恐れている。

・ヒトラーは国民が望んで創り上げたもの。

・人間は、今の資本主義の世の中では、一人では絶対に生きていけない。

・自由になったら、待っているのは孤独。

・交換は「与える」ことからしかはじまりません。
 「奪う」ことから、交換ははじまりません。

・「金持ちになっても幸せとは限らない」と言われても、実際に
 金持ちになった事がなければ、それは理解できないでしょう。

・見返りを期待した与えるは、本当の愛ではない。

・他人しか愛せないのであれば、それは誰も愛せないのと同じ

・生産的な愛の4つの要素
  ・配慮、尊敬、責任、理解

・資本主義社会では、一人での生活者が増える程、都合がいい。
 なぜなら、別に暮らせば、ものがそれだけたくさん必要になるから。

・愛する事は、個人的な経験であり、自分で経験する以外、それを
 経験する方法は無い。

・愛を達成するための4つの基本条件。
  ・客観性と理性を身につける。
  ・自分自身、他人を信じる事
  ・危険を犯す能力、苦痛や失望を受け入れる覚悟
  ・自分の力を生産的に用いる事

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本:ビジネス
感想投稿日 : 2014年3月2日
読了日 : 2014年3月2日
本棚登録日 : 2014年3月2日

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