ボールのようなことば。 (ほぼ日文庫)

著者 :
  • 東京糸井重里事務所 (2012年5月8日発売)
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感想 : 220
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■書名

書名:ボールのようなことば。
著者:糸井重里 (著), 松本大洋 (イラスト)

■感想

糸井さんの本ってあまり読まない。
多分、この人自身をそこまで好きというわけではないからだと思う。
Motherシリーズは大好きだけど、糸井さんだから何でもかんでも好きという
ことでもないわけで。
なんだけど、「まあ、一回読んでみるか」と思い、試しに読んでみた。

結論としては、「やっぱり言葉を知っていて伝えるのはうまい」ということと
同時に「テクニックで伝える」という感じを受けます。

心がこもっているか?という問いには、多分Noと答えると思う。
いい言葉、いい文章はあるんだけど、なんというか作られた感じなんですよね。
当たり前なんですよ。仕事柄。
コピーライターだし、生の言葉を加工して生っぽくするのが仕事なんだから。

でも、それを本という形でまとめられると、胸やけを起こしてしまう、という
感じなんですよね。
押しつけがましいともいうか。
あと、無駄にひらがなばかり使う手法も個人的に好まない。
本にするとうっとおしいこの上ない。

いい言葉の羅列だし、脅迫概念もないし、適度に力も抜ける。
でも、やっぱり個人的にはあまり響かない。
Motherシリーズのゲームの言葉の方が好きかな。

まあ、好みの問題だとは思うけど。
そして、最後に。
やっぱり、この人のエッセイはもうこれで終わりかな。
Motherシリーズは大好きだけど、この人自身が好きという事ではやっぱりない
ということを再確認した一冊でした。

■気になった点
(適当に感じにしています。)

・「わかりません」とわかることが、どれだけ難しいことなのか。

・「機会」さえなくならないのであれば、結果が失敗でも全く構わないのだと
 思う。

・いいたいことが「10」あるなら、それをとにかく「1」に絞って伝える。

・自分たちはいいことをしていると思っているとろくなことはありません。

・断る理由を上手く伝えられなくても、断っていい。

・誰かが喜んでくれるということが無かったら、本当にうれしいことなど何もない。

・人をばかにしゃいけない。私をばかにしちゃいけない。

・何かをすでにはじめていても、それがなんだというのか。
 後とか先とか関係ない。

・すごい作家というのは「はずれ」も作れる。

・ぼくは平気で死んだ人の悪いことを思い出したりします。
 しんでも、水に流したりはしないんです。

・好きな人に会える場所は、好きな人が好きな場所。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本:文庫
感想投稿日 : 2022年10月23日
読了日 : 2022年10月23日
本棚登録日 : 2022年10月23日

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