旅のラゴス (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1994年3月30日発売)
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感想 : 1306
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なかなかに良かった!
「私のこのウツウツとした感じ…もしかして旅を求めてるのでは…?」と変な影響を受ける笑

まず手に取ってみて、この薄さは、と驚く。
(旅の本、というと厚い本であるべきという先入観)
連作短編の形だが、一遍が口説くなくあっさりと終わったりする。あと、主人公がいい意味で醒めていて読む方もさらさらと読めてしまう。
世界観も独特。
瞬間移動や、読心など特殊能力が普通に出てくる。その代わり文明が後退し、南方に行くに従って治安も悪く、乱暴に命を奪われることも珍しくない世界。

ラゴスは奴隷になったり王様になったり忙しい。
柔らかな物腰が知性を感じさせ、やたらと女にモテる。

特に終わり方が良かった。
人生の目的を達し、会いたい人に会いに行く最期の旅。男性は特に、ラゴスのような人生に憧れる人も多いのでは…と思った。

【人間はただその一生のうち、自分に最も適していて最もやりたいと思うことに可能な限りの時間を充てさえすればそれで良い筈だ】

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年5月27日
読了日 : 2020年5月27日
本棚登録日 : 2020年5月27日

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