沖縄問題に真っ向から切り込んだ本書。
書かれたのは少し前だが、今のこの展開を作者が読み切れたのか聞きたいところだ。
話がやや浮世離れしているようにも見えてしまうのは、私が「うちなんちゅ」ではないから、それだけだろうか。
凄くリアリティに溢れているのだが、どこかハリウッドの映画を見るような綺麗な収まり方がしっくりこない。中盤のミステリアスな部分と終盤にかけての盛り上がりが面白いだけに残念。
今も直面し、震災のどさくさに紛れて表面化しないこの問題に、日本人はいつまでも縛り付けられなければならないんだなあ。
どの道が日本にとって、沖縄の人にとって良い事なのか。
真剣に考えていないとお役人を非難する気持ちは凄く良く分かるが、北方領土にしろ竹島にしろ、島国というのは本当に難しいと実感させられる。
どこの領土にも所属出来てしまえる「島」という形態に、身震いするような怖さを感じ取った一冊だった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2011年6月4日
- 読了日 : 2011年5月8日
- 本棚登録日 : 2011年5月8日
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