余命宣告を受けたのは42年間連れ添った妻の杏子68歳…気がつけば夫の廉太郎は70歳、定年退職後も仕事を続けており、家庭を顧みることは全くしてこなかった…。夫婦に遺された時間は1年間、限られた時間を精一杯生きた妻と、妻のために奔走してるようで実は遺される夫のためのかけがえのない期間を描くストーリー。
1つ、介護保険は申請すれば末期癌なら認定交付前でも使えます。もっと家族の負担にならない在宅での看取りができたのかもしれない…杏子はどっちがよかったのだろう?家族に排泄の介護をしてもらうより、仕事で入るヘルパーさんの方がよかったのか?それとも家族にそこは関わってもらえて満足だったのか…そう思うと、エンディングノートにはどんなことを記載したのか気になりますね…。
最初は夫の廉太郎に対しての怒り、こんな時代錯誤的な夫によくも42年も連れ添えたなぁ…と、思わす杏子に同情しました!でも、杏子はすごいっ…自分が先立っても困らないだけの生活能力を廉太郎に遺して逝けたのだから…遺された家族同士が悔いのない看取りを一緒にできたことで、家族の絆も強く出来たんだと感じました。杏子が弱っていく姿や弱音を吐く場面には涙しましたが、「妻の終活」はうまくいったのだと思えました。妻が自分なら…思わず考えてしまいました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
坂井希久子
- 感想投稿日 : 2023年3月5日
- 読了日 : 2023年3月5日
- 本棚登録日 : 2023年3月4日
みんなの感想をみる