僕の読む、ごく限られた日本の作家のひとり。地中海世界を旅する作家の若き日の記録。形容詞のない、肉体の運動のような文章。立った。走った。殴った。疲れた。即物的な行動の記述が聖書世界とつらなる内海の光を現前させる。あるいはこれは平易な言葉で綴られた散文詩なのか。激情しないランボオ、空想しないロートレアモンのような世界。
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安寧のために
- 感想投稿日 : 2005年7月31日
- 読了日 : 2005年7月31日
- 本棚登録日 : 2005年7月31日
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