積読こそが完全な読書術である

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  • イースト・プレス (2020年4月17日発売)
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〇積読の罪悪感が薄れるかしら?と読み始めたが、読書の哲学のような1冊でした
 この世のすべての本が積読書と思うと、ちょっと肩の荷がおりたので、自分の目的は達成出来たといえる。

◎「積読」をあえて「完全な読書である」として読者に勧める

1:なぜ積読が必要なのか
 情報の濁流
 世界は超巨大な「積読」の環境を形成している
 書物とは「閉じと開かれのあいだにあるもの」
 …ジャン=リュック・ナンシー『思考の取引』岩波書店
 文字と書物は 
  「人々を忘れにくくさせる良薬」か、それとも「人をいっそう忘れやすくさせる毒薬」か
 書物には「読まれないでいる」という面もある
 情報のビオトープとしての積読環境
 書物は時間を保存する
 本に対する虐待
 …「断裁」「断捨離」「本への酷い扱い」

2:積読こそが読書である
 読めない後ろめたさ
 手に入れたけど“ちゃんと”読んでいない状態を積読という
 語ることと読むことは別
 全然読んだことのない本について、堂々と意見を言う
 …バイヤール
 初級読書、点検読書、分析読書、シントピカル読書
 言葉を摂取してはじめて語る事が出来る
 
3:読書術は積読術でもある
 遅く読む:精読術、速く読む:速読術、読まない:読書術、外国語の本を読む:解読術、新聞・雑誌を読む:看破術、難しい本を読む:読破術
 途中で読むことをやめる
 音楽的精読と絵画的精読
 書店と図書館

4:ファスト思考に抗うための積読
 ファスト思考とスロー思考
 豊かさを生み出す側と消費する側
 書物のディストピア 紙は絶滅するのか
 いたるところがスクリーンになるのか
 シュメールの粘土板からデジタル時代まで、あらゆる書物が破壊されている
 書物の高騰
 積読で自己肯定する
 情報の断食と瞑想
 

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 0類:総記
感想投稿日 : 2022年4月1日
読了日 : 2022年4月2日
本棚登録日 : 2022年4月2日

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