商学部でありながら会計系の本は一冊も読んだことがなかったので、いったい会計とはどんなものかという多少の興味をさることながら、少しでも触れておく必要があるだろうという義務感のようなものから読み始めた。
まえがき→補遺と読んでいき、一度読むのをやめようかという衝動に駆られたが(補遺の文章があまりに独特すぎて読む気が削がれた)、本文は案外普通に読めた。
会計の歴史を徴することで、近代会計制度をその機能面と構造面から見ていくというのが本書の一貫したスタイルで、本全体としてはうまくまとめられていて読みやすい。専門的な用語も、読後思い浮かぶだけでも、「売掛金」や「減価償却」くらいで、これくらいの水準なら会計に疎くてもスムーズに読むことができる。
しかし、だからこそ、何か物足りなさも残った。
読む前から漠然と抱いていた会計に対するイメージの改変を迫るほどのインパクトはなかった。
もちろんこのようなポップな新書で会計全体を判断するわけにはいかないとは思うけど、やはり会計ってこういうものかもしれない、という思いを強くしてしまったのもまた事実だ。
補遺の題は「会計はつまらない」であるが、もし筆者の本当の意図を読み違えていないとしたら、やっぱり「会計はつまらない」で間違っていないのかもしれない。
(2006年12月19日)
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
文学/思想/歴史/音楽
- 感想投稿日 : 2010年8月2日
- 読了日 : 2010年8月2日
- 本棚登録日 : 2010年8月2日
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