英語のセンスを磨く: 実践英語への誘い

著者 :
  • 岩波書店 (2003年1月29日発売)
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本棚登録 : 90
感想 : 6
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本書は、比較的短めの英文に長めの解説が付されているスタイルですが、その解説には文法や構文に関するものは少なく(「江川先生の英文法解説を読め」で簡単に片付けられてしまうこともしばしば)、多くは、コンテクストの流れや英文においてなぜその表現(例えば過去形)がなされているかの説明に費やされています。

行方先生推奨の本書の正しい利用法は「全訳」です。
行方先生は「正しく読めるようになれば、そして日本語の表現力がある程度あれば、リーダブルな訳文が作れると信じます」(まえがき)と仰られますが、やってみるとそう簡単ではありません。
リーダブルな訳文を作るには、文法・構文レベルの解析から一歩進み、英文の行間を読み解き、日本語の行間に込めなおす作業がどうしても必要です。
本書の解説は、この、行間の読み込みと込め直しのレベルで効いています。

いまどき「英文和訳」は流行らないようですが、いい加減な英文読みでは太刀打ち出来ない上に、セルフチェックも割と簡単にできる(おかしな日本語はすぐわかる)ということから、たまには英文和訳をやってみるのも悪くないと思いました。
英文和訳という方法論の有用性に改めて気付かされるのも、本書の効用でしょう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 語学
感想投稿日 : 2014年7月24日
読了日 : 2014年7月23日
本棚登録日 : 2014年3月27日

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