著者お二人のプロフィールを見れば想像がつくが、「こうすれば楽に儲かる」的タイトルとは裏腹に現状、そして将来についての冷静な分析をしながらの対談がメイン。楽しく稼げるかどうかは保障はされないがこれだけはやっておくべき、といった方法の提案が多い。
安易な自己啓発本とは異なり、税理士らしい現状肯定をしつつそれを上手に利用するための方法論と、文筆家らしい既存のシステムを少しずつでも書き換えていこうという革新的な発想の絡みあいが、前向きな発想を与えてくれる。
岡本さんが、安直な「こうすればいい」的なノウハウを一刀両断し、日垣さんが既存のシステムに依存し続けようとする輩に強烈な警告をする。両極に位置するお二人のようにみえるのではあるが、対談内でも述べられているようにお互い望んでいた対談が実現したようで、対立構造のなかでも多くの共通認識を次々と形成していく様は壮観ですらある。こうした「対話」は複雑な人間関係では常に求められるべきものであり、自分の考えに対していかなる抵抗も許さない方々には見習っていただきたいものである。
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- 感想投稿日 : 2014年7月9日
- 読了日 : 2014年7月9日
- 本棚登録日 : 2014年7月9日
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