真鶴 (文春文庫 か 21-6)

著者 :
  • 文藝春秋 (2009年10月9日発売)
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本棚登録 : 2111
感想 : 217
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わたしには、強烈な本でした。京は、失踪した夫、礼をずっと追い求めています。いつまで引きずっているの、気持ちはわかるけどいい加減・・と言いたくなる。
歩いていると、ついてくるものがあった。これはついてくるものとのお話。京の心の葛藤、立ち直るまでの心模様。
きっと、真鶴は女との修羅場だった場所でしょう。
空想の中では、逆上して刺したり、首を絞めたりしている。この現実かわからない、とりとめもなく入り混じった表現が好きすぎて。
「ついていかなきゃならないの?声に出して聞いてみたが、音にならなかった。それで、女との会話が、実際の声ではなく、からだの内側でおこなわれているのだと知った。」京がこたえを言っている。
そんななか、実母と娘のやりとりは現実味があって、わかる部分が多かった(この場面では現実にもどる感じ)。
わたしの頭の中では、礼は、清原翔さんで、京は川上弘美さんが浮かんだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2020年5月24日
読了日 : -
本棚登録日 : 2020年5月23日

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