二重の意味で泣いた。一つはストーリーで、もう一つは自らの経験と重ね合わせて。貧富の差、引き裂かれ、互いに互いの人生を歩みながらも、再会、葛藤、そうして今へと至る、アーリーの記憶が蘇りこのまま終わるのかと思うと、彼女は途端に記憶を失い、暴れだす。ノアは心臓発作を起こし倒れる。記憶が永遠に取り戻せなくなることを怖れるアーリーを、ノアは、奇跡が起こるさ、と宥めて、朝目覚めると二人は一緒に死している。
実は以前にも視聴したことがあったのだけれど、どうにもラスト十分間くらいを見逃していたようだ。そのせいで、かなり大事な部分を見逃していたもったいなぁとしみじみ感じる。あの部分は泣かずにはいられない。
けれど、愛し方が凄まじい。ほんとうに半端ない。こう、服を脱がす時間すらもどかしく感じているようなあの昂ぶりは凄まじい。しかし、人間ってやつは髭だけで十歳くらい老けられるものなのか……メイクも多少あるのだけれど、こんだけ一気に年取れるのはすごい。ある意味髭文化だ。日本は髭文化が廃れてしまってるので、ほぼ顔変わらないのに二十歳くらい年取ったみたいなのが往々にしてあるけれど……。
しかし、読み聞かせるっていうところがすごいくるなぁ。やっぱり、好きなひとに物語を書いたり読んだりって言うのはそういうふうになるのかもしれない。同じようなことをしてしまったから……俺はどうなっているんだろう。けれど、俺はやっぱり変わらずに好きだな、やっぱり忘れられないなと思ってこう涙がじわじわと浮かび上がってくる。忘れ、られないよ。あのひとが忘れても、俺だけは覚えていよう、そのためにあれを書いたのだもの。
「忘れないで」って僕はただ唄って、「忘れたいの」って君はただ踊る――plastic tree『眠れる森』
- 感想投稿日 : 2011年5月16日
- 読了日 : 2011年5月16日
- 本棚登録日 : 2011年5月16日
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