もう、狂ったようにジャック・ケッチャムを読み漁った時期があります。一冊手を出したが最後(確か「閉店時間」から)、間を空けたくない。「手元にケッチャムの物語がない夜なんて、過ごせない!これはどうしたことだろう!」なんてぐらい。病んでますね。
ケッチャムの魅力といえば、実際にあった事件を元にした陰惨な物語に読者をぐいぐいとひきずりこんでしまうパワフルさと、読んでいて「あー分かる」と感じてしまう自分が嫌になるような人間描写だと思っています。
冷え切って何も感じない心のウェインくんが恋人と嫌々セックス、そのさなかに「もう・・・さー、なんてかさ」と首を絞めにかかり、ここから物語もじわじわとウェインくんの狂気で満ちていきます。言い訳無用で血にまみれていく彼が背負うものが後半明らかにされていくのですが、だからといって同情の余地などなし。ウェインくんは最後までいさぎよいキラーのままでした。
「オフスプリング」「隣の家の少女」などを続けて読んだあと、ほとんど内容を知らずに「ただいまケッチャム!」と飛びつくようにして読んだ本でした。
他の本と比べると衝撃度は中程度ですが、ゆっくりと読めて面白かったですね。ああこの子はこのあとどうなるんだどうしよう、寝ないといけないのに気になって眠れない!と焦るほどではなく。
猫度は☆☆☆
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
海外小説
- 感想投稿日 : 2011年1月23日
- 読了日 : 2011年1月23日
- 本棚登録日 : 2011年1月23日
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