神さまのビオトープ (講談社タイガ)

著者 :
  • 講談社 (2017年4月20日発売)
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本棚登録 : 7961
感想 : 580
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鹿野くん、学生時代からの恋人なので
夫のことを今でもそう呼んでしまう。
でも・・・・鹿野くんはもういない。
はずだった・・・・

交通事故に遭い、亡くなってしまった
はずだった。何故かうる波には見える。
言葉を交わすことも、お腹が減ったと
言い食べたいものを言う鹿野くん。
現実は減らないから、うる波のお弁当に
なったりする。

もちろん、他人には見えない。
幽霊だもの・・・・
こんな試練を与えるのが神様なら、神様
なんて消えればいいのに、と思った!
私だったらそんなことに耐えられる?
いや、きちんと成仏してほしい。

うる波は、高校の美術非常勤講師をして
土日には自宅で絵画教室を開いている。
この本は、連作短編になっている。

恋人の命を、嫉妬心から奪ってしまい
最後の選択を探す千花ちゃん。
ロボットの親友を取り返したい秋くん。
未成熟を愛し成熟を拒絶する金沢くん。
美しい殻の下に醜い皮とみずみずしい心を隠す立花さん。
そんな人々が描かれている。

うる波は未亡人ということになる。
“未亡人”は差別言葉だ。それでも、誰が何と言おうと、後ろ指をさされようと
幽霊でもいてほしいとうる波は言う。

私はどう思うか?そんなことは起きて
ほしくない。当たり前だ!
考えさせた神様は悪い人だ。

2024、2、24 読了

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年2月24日
読了日 : 2024年2月24日
本棚登録日 : 2024年2月24日

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