環境リスク学: 不安の海の羅針盤

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  • 日本評論社 (2004年9月1日発売)
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"私は、最初の勝負は数値の確かさだ、そこで生き残れるか否かが決まる、ということをこの経験で知りました。そして以後、データの正確さについては非常に神経質になりました。"



"ファクト(事実)へのこだわり、これが私の三十五年に及ぶ大学での研究生活を支えた背骨のようなものです。それはたぶん、言葉への不信感、言葉の無力さ、思想というものへの強い不信感か来ていると思います。"



"日本の反対運動とか市民運動には、自分たちが治める場合どうするかという発想がないのです。お上に逆らえなかったという歴史的なものもあるとは思いますが、考え方を変えていかないといけないと思います。"




"ここで重要なのは、自分たちで決定するということです。自分たちで決定しなければならないのだという意識、習慣、これまでの経験、そういうものが欠けていることが問題でしょう。"






"生活の質を考える?それはいいことだ。生きている間も苦しいのだからと多くの方が言います。しかし、実は私はQOLの研究をすること、および、それを使ってリスク評価することを研究室の院生やCRESTの研究員に長い間禁止してきました。
(中略)
QOLのようなあいまいな特性をいかに取り扱うかということは、これからのリスク研究の大きな課題の一つだと思います。ぜひ、いろいろな分野の研究者が入ってきてほしいところです。"





"車はなぜ許されるの?携帯はなぜいいの?ユビキタスコンピューティングなんて、いいの?という問題はある。しかし、市民はずるいから、これらの商品の魅力が大きいためにリスクに今は言及しない、考えないことにしているだけであって、もう少し落ち着けば、問題は過去の分まで含めて出てくるのである。"





引用したい言葉がいっぱいwwww
中西さんパネェっすwwwww
でも今まで生きてきて、もっとも思想に共感できる女性です。

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感想投稿日 : 2012年2月5日
読了日 : 2012年2月5日
本棚登録日 : 2012年2月5日

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