僕僕先生という仙人(美少女)と王弁というニートが繰り広げるほっこりする癒し系のファンタジー。
文体も伸びやかで、話ものびのびとした印象だった。この文体非常に好きだ。
ただ忙しくて二〜三日で一冊読むという目標を果たせず、途切れ途切れに読んでしまった。
王弁は聡明なのだが繊細で、世の中そのものが耐え難いタイプ。
母の死、父の浮気。辛い科挙の勉強。そしてその果ての「自分が稼がなくても大丈夫なんだ」と知った瞬間。
殴られるより打たれるより、どんどんと「自分は不要だ」「自分の努力は徒労だ」と分かっていく時の傷というのは深く人を腐蝕させていくものがある。
そんな彼を救ったのが僕僕なのだが、僕僕もなかなか過去に大きな傷を背負っているようだ。
だが、そんなことよりもこののんびーりしたまったりした、飄々とした冒険ファンタジー、好きである。お気に入りになりそうだ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
時代小説
- 感想投稿日 : 2021年9月24日
- 読了日 : 2021年9月24日
- 本棚登録日 : 2021年9月15日
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