久々の司馬短篇集。
「薩摩浄福寺党」「倉敷の若旦那」「五条陣屋」「壬生狂言の夜」「侠客万助珍談」「斬ってはみたが」「太夫殿坂」「理心流異聞」「アームストロング砲」の全九本。時代は全て幕末維新期と来ているので「竜馬がゆく」「翔ぶが如く」「世に棲む日日」といった長編ものの合間合間に読むのが最適かと。自分の場合は若干間をおいて戻ってきたので脳の反応速度が今ひとつであったことが悔やまれる。
当然それぞれの舞台となる地の「街道をゆく」とのセット読みもまた格別かと。書名にも選ばれた「アームストロング砲」が最後に並べてあるのはよい判断で、その終わり方が格別であった。そこまで意図的な計画に基づいたものではなかったがここ数年に上野寛永寺や不忍池、本郷台の加賀藩邸といったような語彙からの土地勘が育ってきていたため、なおさら楽しめた次第。
かくして新たな時代は幕を切って落とされたのである。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年12月2日
- 読了日 : 2014年7月5日
- 本棚登録日 : 2019年12月2日
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