生きているということは実はとんでもないことだったんだと思った。と言っても罪の意識なんかはまるで感じないのだが…
道徳には二種類あって、高貴な者の道徳と、奴隷の道徳。
高貴な者は強く、比類なき能力があり、自ら是とするものを「よい」こととなす。彼そのものが価値の創造者である。
奴隷は高貴な者に奉仕するために存在し、命令され、過酷で悲惨な生活を強いられる。彼らは、強いものを恐怖する。彼らにとって恐怖させるものが「悪」である。その反対である彼ら自ら弱いものが「善」となる。
ニーチェさんの時代、種々の要因から高貴な者の道徳が廃れ、奴隷的な人間が増大したため、危機感を抱いてこの書物を書いたそうである。
時代は下って、現在ではさらに奴隷だらけになっているような気がする。もちろん、わたしも奴隷なんだが、やっぱりそれじゃ嫌だ。高貴な者は生まれながらにしてしかこの世に現れないのだから仕方ないとして、奴隷が奴隷を自覚しながら、生の耐え難さや隷属に抵抗して生きることはできないものなのか?そんなことを考えた。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
哲学
- 感想投稿日 : 2012年11月4日
- 読了日 : 2012年11月4日
- 本棚登録日 : 2012年11月4日
みんなの感想をみる
コメント 2件
ゆさんのコメント
2012/11/05
keisukekuさんのコメント
2012/11/05